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■Writer グランディアホーム株式会社 代表取締役 村上 仁
私たちは平成15年まで、自然素材を使ったことがありません。
それまでは、現在でも一般的に多く使われている新建材(塩ビクロス*、合板フローリング)を使った住宅を建てて、他社と受注棟数を競い合っていました。
*塩ビ(えんび)クロス・・・塩化ビニルクロスの略称 合成樹脂(プラスチック)が原料となっている内装材で、現在の住宅で最も普及している。火災時の不完全燃焼によりダイオキシンを発生させることや、発ガン性があるとされている。
日経ホームビルダーの2006年4月号に「全国売上げ伸び率ランキング」で全国7位になり、掲載されたこともあります。
当時建てていた新建材(化学石油製品)の住宅が完成したときに、社内検査のために建物内に入ると、鼻炎のような症状や、軽度の頭痛になることが多々ありました。
それでもそのときは、その原因が何かを全く分からずにいました。
その頃、少しずつ『自然素材』を使った住宅やリフォームを聞くようになりましたが、まだ当時はこだわりの強い方だけが部分的に自然素材を使うぐらいでした。
それでも、住宅に携わるプロとして流行りつつある自然素材を知っていなければいけないと思い、勉強し始めました。
自然素材を勉強し始めると、いろんなことが分かりました。
当時建てていた住宅に入ったときの鼻炎や頭痛の原因が、もしかすると新建材に使われている接着剤なのではないかと思うようになりました。
そして、さらに勉強をしていくと、その思いが確信となり、接着剤以外にも原因が分かるようになりました。
私は、新建材を使った住宅内に入ったときに鼻炎や頭痛になりましたが、これは人それぞれで全員がこうなるわけではありません。
当然、人によって差はあります。
新車に乗ると気分が悪くなる方もいますし、新車の臭いが好きな方もいらっしゃいます。自動車の内装も新建材と同じ化学石油製品ですが、人によって感じ方には違いもあるのです。
偽物の珪藻土を展示していました
今でこそ、私たちへは同業者が自然素材について教えて欲しいと言われるようになっていますが、当時の私たちというのは、全く自然素材を知らず自然素材を勉強する前には流行に遅れないためにと、自社ショールームに展示用として珪藻土を塗りました。勉強してから気づいたのは、その珪藻土が偽物ということでした。
私たちのようなプロであっても、こういう間違いをしてしまうのです。
自然素材を使いたいと思っているお客様側はもっと知りません。
私たち住宅のプロ側が、どう伝えるかによって、そのお客様が本物を使うか偽物を使ってしまうかが決まります。
食べ物やお水で偽物を食べたり飲んだりは、誰しもしません。
私たちは食べ物を食べるより、水を飲むより、当然多くの呼吸をしています。
そして、私たちは自宅内で呼吸している時間が最も多いはずです。
誰しもきれいな空気を吸いたいはずです。
当たり前のことなので、意識にはないと思いますが。
その自宅が、偽物の自然素材や化学石油製品で囲まれているとしたら、その空気はきれいと言えるのでしょうか。
最後に、「自然素材は高い」と思っている方が多いと思います。
私たちの考えは住宅の全てに自然素材を使うのが良いとは思っていません。
予算や部屋の使い方に応じて、自然素材を使う以外にも、住宅のプロとして経験や工夫をしながら対応していくのが私たちプロの役割です。









